提言内容 1. 1.地域破綻の危機に立ち向かう、緊急マニフェストを。
(1)青森県の地域社会システムは、小泉改革以後安定性を失い、人口急減社会に急
速に移行。
(2)特に、医療崩壊、雇用不安、市町村財政の3つの破綻が現実化。これらは明日
がない状況。だが、県政の危機感、責任感は驚くほど低い。この緊急事態に対
処するマニフェストが必要。
(3)責任与党の自民党は、総花主義を超え、漸減型財政から転換するべき。対立軸
を示せない民主党ともども、県民への不作為責任。
1−1.地域医療の崩壊を食い止めるマニフェストを。
(1)自治体病院は、構造的赤字、医師確保は困難で、診療科の閉鎖や診療所への転
換が相次いでいる。青森の地域医療は安定的継続が困難な状況。
(2)経営努力が現場の過重労働、医療の質低下につながる悪循環が加速。労災事
故、医療過誤の頻発が懸念され、個々の医師、医療技術者の多少の優遇では解
決不能。
(3)自治体病院の多くは、公設民営化や指定管理などによって、医師確保に責任を
持てる医療法人などに経営を実質委譲することが必要。
(4)その現実を踏まえた再編計画の修正、実現の前倒しが必要。そのため、医療法
人との契約条件の裏打ち、巨額(644億円)の累積欠損金処理などを県が責
任分担するべき。
(5)研修医を集めなくては自治体病院への支援は不可能。研修医を集められる最新
救急医療システムを県南、弘大病院に導入するなど重点配分が必要。アメリカ
型緊急救命室(ERシステム)を想定。独立行政法人の弘大への経営支援にも
なる。
1−2.雇用不安を確実に改善するマニフェストを。
(1)県の雇用環境は数十年間全国最下位クラスを低迷。特に最近は、職場の絶対的
な不足に陥り、人口流出や中高年自殺の急増に直結。
(2)これまでの国策依存、公共事業依存、二次産業立地願望では雇用を改善できな
かったことが明白。政策を主導してきた県政与党と県の産業政策部門には重大
な責任。産業政策、成長政策の失敗を、若者など県民個々人のアジャスト努力
不足にすり替えてはならない。
(3)もっとも多く雇用を提供しているのは地場中小企業。県の雇用問題は、起業件
数(新規開業)が少ないことの裏返し問題。
(4)既存企業の保護や底上げ、融資枠準備では雇用が好転しない。そのことを事実
が証明。起業促進のため、高助成率でリスクを下げた資金を大量・継続的に供
給すべき。
(5)思い切った資金供給に踏み切ることで新規開業と新旧交替を促進し、革新的企
業層、経営者層を拡充すべき。県の産業特性も踏まえて、農漁業者の新規事業
も重点対象とし、リ−ディング分野とすべき。
1−3.市町村の財政破綻を防ぐマニフェストを。
(1)夕張は対岸の火事ではなく、地方財政再生法制によって、かなりの数の県内市
町村が2年後には「早期健全化段階」が確実、「再生段階(再建団体)」転落
の危機も現実的。
(2)県庁は別な自治体だから他人事という対応は許されない。県の動きがなけれ
ば、あきらかに自主努力では追いつかない市町村がある。県政は、市町村経営
を他人事のように見ない姿勢を具体策で打ち出すべき。
(3)ただちに限界市町村と県の共同チ−ムを編成し、財政再建策の見直しと前倒し
実施(「早期健全化」の先送り)に着手することが必要。
(4)波及防止のため、緊急救済の互助的枠組みを急ぎ検討すべき。県も相当額を積
み立て、各市町村にも財政規模に応じた拠出を求めるべき。
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