再処理工場の施設増設5件について、三村知事宛に提出した鹿内博県議の意見書
再処理工場増設等を容認できない理由
1、 六ヶ所再処理工場はアクティブ試験中に二度の体内被ばく事故を起こす等事故が
続出し、事業者の品質保証体制は確保されず、危険で、又プルトニウムも必要とし
ていないことから、再処理工場自体必要なく、増設は認められない。
2、 この問題に関する貴職の県議会答弁等は極めて不誠実であり、県の検討内容は不
十分である。
@プルトニウムの具体的利用計画は示されず、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の
見通しもない。
A海外返還放射性廃棄物に関する検討時期について、具体的に答弁しない。
B低レベル放射性廃棄物の貯蔵期間及び本県から、搬出する担保について具体的に答
弁しない。
C本県を上記廃棄物の最終処分場としないことについて具体的に答弁しない。
D酸化ウランの利用計画、貯蔵期間及び本県から搬出する担保について、具体的に答
弁しない。
E本県を上記放射性物質の最終処分場としないことについて具体的に答弁しない。
F今後検討される海外返還放射性廃棄物及び放射性物質(酸化ウラン、製品プルトニ
ウム)の種類は、今回提起されている六ヶ所再処理エ場からの放射性廃棄物と放射
性物質と同様の種類であり、それらの利用、貯蔵、処分は同様に扱われることか
ら、それらの全体像を求めたにもかかわらず、具体的に答弁しない。
G提起されている放射性物質と放射性廃棄物の種類と形態は多く又、問題は各々に、
生産、貯蔵、利用、搬送、処分と多くの難問をかかえているにもかかわらず、それ
らの問題を「小出し」に県議会に説明し、既成事実を積み重ねる手法は、姑息であ
る。
H低レベル放射性廃棄物貯蔵建屋操業予定時期は2011年以降であり、海外返還廃棄物
輸送開始予定時期は2007年以降とされていることから、低レベル廃棄物施設増設問
題は、海外返還廃棄物の検討に先行する必要性は全く無く、もっと時間をかけて検
討すべきである。
I県議会に対する意見回答期限を定例県議会開会中の12月8日としながら、その根
拠及び、その期間までに判断に必要な材料、情報を県は提供しない。
3、 上記の問題を曖昧にすることは、本県がなし崩し的に全ての放射性廃棄物の永久
貯蔵場あるいは最終処分場とされることとなる。
4、 増設を問題ないとする知事報告の根拠となった県が委嘱した専門家による検討状
況は不十分で又、議事録も作成せず、知事報告の根拠はない。
5、 重要なことを県民への説明会等を開催せず、県民投票も実施せずに県として最終
判断しようとしていることは、県民参加の県政に反する。
6、 東京電力柏崎原発等の温排水データ改ざんが又発覚し、更に、六ヶ所に搬入され
た使用済み核燃料輸送容器表面汚染の情報を非公開としていること等から、国、及
び電力・核燃サイクル事業者を信頼することはできない。
7、 三村知事は、国のエネルギー政策と言いながら、電力最大消費地の大都市に原発
や放射性廃棄物貯蔵施設は全く無く、青森県にだけ、全ての放射性廃棄物が集めら
れ、危険な原子力施設が増やされ続けている状況を更に加速させ、自らが掲げる
「暮らしやすさのトップランナー」と「攻めの農林水産業」に自らがブレーキをか
け、次世代を担う青森県の子供たちだけに「危険、不安、苦悩、負担」を押し付け
ようとしており、容認できない。
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