2006.12.14(木) これでよいのか国会演説
明日、来日中のインドの首相が国会で演説する。おい、おい、それでよいのか。
NPTに入らない国にはODAを出さないとか、NPTに加盟していない国の元首に
は国会演説をさせないとか、そういう決意はないのか。唯一の被爆国にしてはポリシー がなさ過ぎるのではないか。
これからの経済はインドだぜというのかもしれないが、ちょっと違わないか。核兵器
の議論云々の時は何か言うけれど、NPTにも加盟していないインドの首相が国権の最 高機関で演説しちゃうのは誰も何も言わないのか。IT大国だと核兵器保有もありなの か。NPTに入れという圧力をかける気もないのか。それじゃあいかんだろう。僕は欠 席しようかと思っている。ちなみに国会演説は衆議院と参議院の本会議場で交互にや る。
ドイツ映画の「みえない雲」の試写を見る。原発事故と極限状態の人間の状況を描い
たグレゴール・シュニッツラー監督の作品だ。日本ではこうした事故は起こらない、起 こらないだろう、起こらないはずだよね..。
2006.12.12(火) 支持率低下を乗り越えて
最近、朝のテレビがいろいろと政治的な問題提起をするようになった。が、見ている
と夕張市とか社会保険庁とか政務調査費のようなバッシングしても大丈夫なものだけを 取り上げているような気がする。
もちろんそれらも大事だが、例えば外国人労働者問題とか使用済み核燃料の再処理問
題とか、意見が大きく分かれ国の将来を左右しかねない問題や何十兆円という単位で国 民負担がのしかかってくるような問題に大上段で切り込んで欲しいのだが。
とくに国民負担が莫大になる再処理に関して、マスコミがまったく報道しないという
のは異常事態だ。
2006.11.18(土) しつこい噂
夜はロータリークラブで講演。目指していた核燃料サイクルと現状の敗戦処理のプル
サーマルについてわかりやすく話をする。
2006.11.15(水) 講演やります
国際戦略セミナーで今の日本の核燃料サイクルがいかにおかしいか説明する。出席さ
れたほとんどのメンバーが、再処理、核燃料サイクル、もんじゅ、高速増殖炉、MOX 燃料、プルサーマル、使用済み核燃料といった単語を聞いたことがあるが、ウラン鉱山 から地層処分までの一連の流れをきちんと系統立てて説明を聞いたことがない。きちん と説明するとほとんどの方に高速増殖炉もないのに再処理やることのおかしさを理解し て頂ける。
2006.11.14(火) 日本語の現場
松本純代議士のパーティ、法テラスの開設記念パーティに顔を出して、中央大学大学
院の授業。核燃料サイクルを失敗した政策の例に取り上げる。
2006.11.8(水) タリンのテレビ
党本部で電源立地の会議。やたらと人が多い。
何かと思ったら、配付資料の中に「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措
置法の振興計画に掲載されている道路事業一覧」なるものがあり、青森県国道279号 改築事業だの、宮城県国道398号道路建設事業だの30ページにものぼるリストが。
さらに原発所在地に企業を誘致するために、電力料金をただにして欲しいとの要請も。
原発に付随するこうしたコストが一体いくらになるのか、サッパリ開示はされない。
エネルギーの安定供給という名目と現実にそれでおりてくるお金の関係をどう見直すの
か、原発の立地と地域振興策をどう関係づけるのか、地域振興策が単なるばらまきでは なく身のあるものになっているのかのレビューなど、どうするのか。それでもウランは いいから、プルトニウムは止めようぜ。
2006.11.5(日) みのもんた的週末の過ごし方
「核燃料サイクル20年の真実」という再処理推進の本を見つけるが、ここでいう
「核燃料サイクル」とは「プルトニウムを取り出し軽水炉で燃やすサイクル」のことら しい!? 敗戦処理サイクルが確立されれば、「それだけ化石燃料依存を減らすことが できる」と主張するが、天然ウランの使用量が一割減るだけだということにはまったく 触れていない。それに数十兆円突っ込むことの経済性にも触れていないし。
さらに再処理は「核拡散のリスクを摘むという点。原子力発電はウラン燃料を燃やす
ことで同時にプルトニウムを生成する。再処理をしようとしまいと、プルトニウムは生 まれる。」使用済み核燃料の状態で貯蔵する方が、再処理してプルトニウムを単独で取 り出すよりも対テロという観点からは安全だ。核拡散のリスクを考えるならば再処理し ない方が良い。プルトニウムは燃焼できるのならば燃焼した方がよいというが、MOX 燃料の使用済み燃料は再処理しないのだ。できるなら再処理というならば、なぜMOX はやらないことにしているのか。
「原子力の最大の課題である最終処分場と関係する」再処理した方が処分によいかど
うかはもう少し詰める必要があるし、だいたい最終処分場そのもののめどが立っていな い。「再処理をするかしないかという議論には決着がついている」。うんにゃ、とんで もない。まったく決着はしていない。
2006.10.24(火) 国益の再定義
日ロの経済関係は、人の往来も貿易も日中関係の二十分の一から三十分の一しかな
い。領土問題が日ロ関係の発展を妨げているのは間違いない。
日本にとって、ロシアの資源、特に天然ガスをはじめとするエネルギー資源は魅力
だ。中東の石油への依存がかつてのオイルショック時よりも高くなっている日本のエネ ルギー構造は極めて脆弱だ。石油が市場に流れ出れば、いくら価格が高くなろうと日本 は経済力で石油を買い付けることはできるだろう。しかし、テロなどでペルシャ湾が封 鎖される事態になると事態は急変する。
ロシアのエネルギー資源へのアクセス確保は国益でもある。ロシア経済は確かにバブ
ルではあるが、成長を続けている。ロシアのマーケットへのアクセスは始まったばかり だ。他方、ロシアにとって、日本の投資と技術力は魅力的だ。とくに頭部武の開発に日 本の協力は重要な要素だ。今のロシアには石油などの輸出かハイテク武器の輸出かとい う極端な構造になっているため日本の工場進出は魅力的だし、経済の格差の解消にも有 効だ。日本とロシアは、お互いに日ロ関係を深めていくことが国益につながる。地政学 的に考えても、日中、露中関係も、しっかりした日ロ関係があれば、それに刺激されて 深まっていくだろう。
日ロ関係のなかで、なにが日本にとって、国益なのかという国益の再定義をするべき
時がきている。何も考えず惰性でこれまでの議論を繰り返すことはもはややめるべき だ。四島の返還と言えば誰からも批判されることはない。だからといってそれだけで良 いという時代はおわったのではないか。政治が勇気を持って決断を下す必要がある。
ロシア側の立場は一貫して、領土問題を議論するのは難しい。領土問題に触れなくと
も、つまり平和条約がなくとも、トヨタや日産がロシアに工場進出を決めた。日ロの経 済関係は動いている。だから平和条約よりも日ロ関係を深めていくことを優先しようと 口を揃える。日本側は、領土問題を解決しない限り、日ロ関係は深まっていかない、だ からお互い知恵を出し合って領土問題を解決しようとメッセージを送った。日本とロシ アの双方が一歩ずつ、前へ出ることを考えなければ、五十年後にも同じことになってし まう。
2006.10.18(水) 公教育の議論スタ−ト
18:30 太郎塾原発・再処理・プルサーマル担当者と打合わせ
プルサーマルに関する講演の依頼をいくつか受けるが、プルサーマルについてまだ研
究中なので、とりあえず、お断りする。
プルトニウムの処理はしなければならない。MOX燃料は核不拡散という観点からは
テロリストフレンドリーで不都合だ。
使用済みMOX燃料は対テロリスト対策という観点からは有効だ。
いずれにしても再処理を止めることを最優先するというスタンスでいくことを確認。
政調会長の核発言に関し、よせばいいのにその尻馬に乗ろうとする者がいる。どうも
上っ調子で、まじめに考えているのか。他方、核については全て議論することもいけな いというのもどうだろうか。
僕は、核武装云々よりも、アメリカの核の傘が本当に機能するのかどうかきちんとつ
きつめて、国民に示す必要があると思う。さらに広島、長崎の経験がある日本が、核に 関してはアメリカの核の傘の一言でよいのかどうか、きちんと議論する必要がある。
2006.10.15(日) 電力会社のテレビコマ−シャル
電力会社がプルサーマルを資源のリサイクルとしてテレビコマーシャルを始めてい
る。MOX燃料ではウランにプルトニウムを一割混ぜるだけだから、プルサーマルで節 約できるウラン燃料はわずか一割。そのためにかかる費用は兆単位の天文学的なだか ら、コストベネフィットを考えるとウランを一割余計に買って備蓄しておいた方が得 だ。
使用済み核燃料も高レベル放射性廃棄物も長期にわたる地層処分が必要だ。使った時
間よりも長い時間を地層処分に当てなければならないのは、リサイクルなんだろうか。
しかも、使用済み核燃料をそのまま中間貯蔵しておく方が、プルトニウムを抽出するよ
りもテロリスト対策としてははるかに安全だ。実際に何が起こっているかを国民に知ら さずに、テレビコマーシャルでひたすら洗脳しようとするのは、民主的ではない。
2006.10.12(木) 貯蔵プ−ルは足りている
日本国内で生み出される使用済み核燃料は、最適化すれば、少なくとも2020年代
まではプールにおいて貯蔵可能で、むつタイプの貯蔵施設をいくつか追加すれば205 0年までは再処理しなくても貯蔵可能だというレポートが公式に出された。
http://www.fissilematerials.org/ipfm/site_down/ipfmresearchreport02.pdf
再処理を強行する必然性はなくなっている。
北朝鮮の核実験後の世界として、テロリストが取り扱い易いMOX燃料の形でプルト
ニウムを置いておくよりも、使用済み核燃料の形でおいておく方が、対テロリストとい う観点からははるかに安全。
2006.9.23(土) 野口さんに続け
学会での発表によると、日本で発生する使用済み核燃料の貯蔵はむこう40年は大丈
夫だそうだ。現在は原発間での使用済み核燃料の移送はできないが、これを認めるとあ と40年間はキャスクなしでも貯蔵プールに余裕があるそうだ。ますます再処理を開始 する理由はない。再処理のように意味のないものへの財政支出をカットし、無駄な補助 金を整理し、管理できないODAの削減などで予算を捻出することは可能だろう。
2006.8.11(金) 全国遊説in仙台
仙台駅前のアエル二十八階での講演会のビラも数百枚、あっという間になくなった。
総裁選挙の街頭演説というのも物珍しいのか、ずいぶん多くの方々が立ち止まって聞い
て下さり、ずいぶんと握手もさせて頂いた。総裁選挙は三つどもえなんて一面に書いた 朝日新聞の記者も取材に来てくれている。
その後、「教えて太郎さん、再処理工場の秘密」と題して、日本のエネルギー政策の
誤りについて講演する。平日の午後という時間帯にもかかわらず、会場は満員、立ち見 も出る盛況。やはりじわりじわりと高速増殖炉の代わりに敗戦処理のプルサーマルを入 れ込むインチキ核燃料サイクルのネタがばれ始めている。きちんと説明すれば、いかに 経産省と電力会社、そして与野党の与太議員じゃなかった族議員がやろうとしているこ とが筋が通らないか、理解して頂ける。この誤ったエネルギー政策をなおすためにも河 野太郎政権が必要ですと総裁選挙での支援を訴える。
ご準備頂いたり、ご支援を頂いたみなさん、ありがとうございました。
2006.6.30(金) ブレインスト−ム2日目
今回は、南北の格差、イスラムと西洋、地球温暖化、教育改革などが主な関心事とい
う感じだったが、議論が浅いような気がした。地球温暖化ではパネリストの意見がほと んど同じで、僕を含め会場ではなんで原子力の是非を議論しないのかという声が大きか った。
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