東奥日報 2007.3.9(金)
県議会が役割を果たしているとする県民が半数近くいる半面、果たしていないとする
県民も半数近くに達し、仕事ぶりへの評価がくっきり二分していることが、東奥日報が 初めて実施した県議会に関する世論調査で分かった。三村申吾知事の県政について「評 価する」が7割弱、「評価せず」が2割強だったのと比較すると、評価の低さが際立 つ。評価する県議が「自分の選挙区にいる」と答えた人も3割以下にとどまり、県民の 厳しい視線が浮き彫りになった。
調査は3月4〜6日の三日間、地域別の人口比率や男女比率などを加味して電話で実
施し、506人から回答を得た。
「県議会は役割を果たしているか」という質問に対し、「十分果たしている」と答え
たのは4.1%、「まあまあ果たしている」は42.6%、「あまり果たしていない」 が38.2%、「全く果たしていない」が6.6%、「分からない」が8.5%で、現 状については評価が割れた。
男性に否定的な評価がやや多く、年代別では50代で否定的な評価が、70代以上で
肯定的な評価が多かった。職業別では、農林水産業で肯定的な評価が、現業職で否定的 な評価が目立った。
県議会が役割を果たしているとみる人について、その役割を尋ねた結果は@地元のた
めになる仕事をしているA有権者の声を県の仕事に反映している31.5%B知事など 県庁の仕事をチェックしている10.8%Cいい政策をつくっている3.7%−の順 で、「地元貢献」が肯定的評価の大きな根拠となっていることが分かった。
県議会が役割を果たしていないと答えた人が挙げた理由は@有権者の声を反映してい
ない36.8%Aいい政策をつくっていない29.0%B地元への利益誘導が目立つ1 9.5%C知事など県庁の仕事をチェックしていない9.1%−の順だった。
これらを総合すると、「有権者の声を反映させながら、地元のために働く県議」への
期待が県民の間で高い半面、県議の政策立案能力には疑問符が付いており、県政のチェ ック機能にも、期待も不満も大きくはないとみることができる。
評価できる県議が「自分の選挙区にいる」と答えたのは28.1%、「他の選挙区に
はいる」が7.9%に対し、「いない」が29.7%、「分からない」が34.3%に 達し、他の設問と併せて、多くの県民が、県議の具体像が描けない、または意中の候補 がいないまま、県議選を迎えつつある様子も浮かび上がった。
「もっと評価して」「県民の目正しい」 世論調査に県議会
反応
県議会に関する東奥日報社の世論調査結果について、県議会内では「もっと評価され
てもいいのでは」と戸惑いの声が上がる一方、「県民の目は正しい」と冷静に受け止め る議員もいた。また、議会活動の広報態勢強化の必要性を指摘する議員が複数いた。
自民党県連の高樋憲政調会長は「もう少し県民から評価されてもいいと思うが、県議
側も反省すべき点はある。いろんな機会をつくって、普段の活動を住民に見せていかな ければならない」と述べた。
民主党系の新政会・斗賀寿一会長は「この結果はそのまま受け止めるしかないが、県
議会の役割を果たしてきたという思いはある」と、淡々と語った。
共産党の諏訪益一県議団長は、県民に対する県議会の情報提供が足りない−とした上
で「広報紙などを発行すれば、評価する割合が高まるのでは」と強調した。
社民党県連の渡辺英彦代表は「実際にしっかりした役割を果たしている議員は半分ぐ
らいで、県民の目は正しいと思う。評価してもらうためには、もっと有権者の声を聞 き、県民に活動を報告する必要がある」、鹿内博議員(無所属)は「厳しい結果という 印象。議場でのやりとりを県民に見てもらうため、ケ−ブルテレビなども活用するべき だ」と話した。
【参考】 東奥日報 '07知事選
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