精白米の炭素14濃度全国比較

精白米の炭素14濃度を調査する理由
  空気中の二酸化炭素には、炭素12と炭素13と放射性物質である炭素14が、あ
 る割合で含まれていて、植物は、空気中の二酸化炭素を呼吸によって取り込み、光合
 成によって、それらの炭素が同じ割合で植物体の中に蓄積される。
  再処理工場から放射性物質が放出され、大気中の二酸化炭素に含まれる炭素14の
 割合が高まると、その割合に応じて植物からも放射線が多く出るようになる。
  野菜の水分が約70%であるのに対して米は約15%であり、生1kgから水分を
 除いた重量は、野菜が300gで米が850gとなる。日本人が1年間に摂取する
 様々な食べ物の量とその水分量とそれらから放出される放射線の影響から算出する
 と、精白米の炭素14が約半分の影響を及ぼしている事になる。(日本原燃M部長)
  私達が食べ物から受ける放射線の影響は、精白米から受ける影響の約2倍と考える
 方が、全ての食べ物を調査して積算するよりものかなり合理的だと考えるので、今後
 も精白米の炭素14に注目していきたい。
 参考:青森県産の米やニンニク等から放射線が出ると青森県が公認

精白米の炭素14が占める影響度の割合(日本原燃の資料より)
 1年間に受ける自然放射線は、約2.4 ミリシ−ベルト(世界平均)
  内訳 @宇宙から来る放射線 0.4 ミリシ−ベルト
     A大地からの放射線  0.5 ミリシ−ベルト
     B食べ物からの放射線 0.3 ミリシ−ベルト
     (精白米からの放射線 0.15ミリシ−ベルト)
     C呼吸による放射線  1.2 ミリシ−ベルト

 2007.9.21(金)東奥日報
  天然放射線による青森県民の被ばく状況に関する研究結果を発表。大地からのガンマ線や大気
 中ラドンから受ける線量が全国値を下回っていることなどから、県民の年間平均被ばく線量は計
 一・五ミリシーベルトで、全国値の計二・二ミリシーベルトよりも低い−との結果を示した。

再処理工場から放出される放射性物質の影響(日本原燃の資料より)
 1年間に受ける人工放射線は、約0.022 ミリシ−ベルト
  内訳 @大気放出 空気・地面から、呼吸により、農畜産物を食べて
          (主な放出放射性物質:クリプトン85、炭素14
              +約0.019 ミリシ−ベルト
      (内、食べ物から+約0.014 ミリシ−ベルト
     (精白米からの放射線+0.007 ミリシ−ベルト)
      再処理工場から放出された炭素14による影響は、約5%の増加だけ?
      100Bq/kg-生だった米が105Bq/kg-生にしかならない事になるが?
     A海洋放出 漁業活動など、海産物を食べて
          (主な放出放射性物質:トリチウム)            
              +約0.0031ミリシ−ベルト

調査方法 環境放射線デ−タベ−スから、以下の検索条件で検索しました。 
 調査対象 放射能測定調査(放射能水準調査)/放射能調査(海上保安庁)/
      放射能調査(水産庁)/放射能調査(気象庁)/放射能調査(防衛庁)/
      食品試料の放射能水準調査/ラドン濃度測定調査/久米島環境調査/  
      原子力施設周辺環境放射線モニタリング調査/海洋放射能調査
 調査年度 1957年度〜2006年度
 調査地域 全国
 調査試料 農林産物  穀類
 調査核種 C-14
 該当件数 223件

調査結果(2007.9.17)
青森県地図
試料採取年度
放射能濃度
六ヶ所村(平均値)
野辺地町
青森市
Bq/kg-生
Bq/g炭素
Bq/kg-生
Bq/g炭素
Bq/kg-生
Bq/g炭素
1995
98.8
0.254
97
0.25
 93
0.25
1996
105.2
0.254
98
0.26
97
0.26
1997
97.6
0.252
98
0.26
92
0.26
1998
96.4
0.248
100
0.26
96
0.25
1999
89.6
0.246
94
0.25
93
0.25
2000
95.0
0.244
91
0.24
88
0.24
2001
96.4
0.246
92
0.24
89
0.25
2002
94.4
0.242
91
0.24
88
 0.24
2003
96.2
0.246
93
0.25
94
0.25
2004
92.8
0.238
89
0.24
92
0.24
2005
95.8
0.246
89
0.24
92
0.25

野菜との比較
原子力施設環境放射線調査報告書(平成18年度報)P20 表2-6 炭素14分析結果より
試料の種類
単位
青森県
事業者
平常の変動幅
(過去の測定値の範囲)
検体数
測定値
検体数
測定値
精米
Bq/kg-生
3
87〜90
3
94〜95
87〜110
Bq/g炭素
0.24
0.24
0.23〜0.26
比較対照
(青森市)
Bq/kg-生
1
89
-
-
88〜97
Bq/g炭素
0.24
-
0.24〜0.26
野菜 ハクサイ、
キャベツ
Bq/kg-生
2
4,5
1
4
3〜7
Bq/g炭素
0.24
0.25
0.24〜0.25
ダイコン
Bq/kg-生
1
4
-
-
4
Bq/g炭素
0.24
-
0.24
ナガイモ、
バレイショ
Bq/kg-生
1
16
2
18
16〜18
Bq/g炭素
0.24
0.24,0.25
0.24〜0.26
・「平常の変動幅」の期間は平成7〜17年度。ただし、野菜については平成17年度。 
・ダイコンの「平常の変動幅」は、平成17年度における1試料のみの分析結果である。
 原子力施設環境放射線等監視評価会議委員名簿
 平成19年度 第2回評価委員会資料及び議事録

六ヶ所村
試料採取年度
平均値
1995
98.8
98
97
100
99
100
0.254
0.25
0.26
0.26
0.25
0.25
1996
105.2
99
97
110
110
110
0.254
0.26
0.26
0.25
0.25
0.25
1997
97.6
94
97
99
99
99
0.252
0.25
0.26
0.25
0.25
0.25
1998
96.4
98
95
96
99
94
0.248
0.25
0.26
0.24
0.25
0.24
1999
89.6
94
91
88
88
87
0.246
0.25
0.25
0.25
0.24
0.24
2000
95.0
91
93
98
97
96
0.244
0.24
0.24
0.25
0.25
0.24
2001
96.4
91
93
99
99
100
0.246
0.25
0.25
0.24
0.24
0.25
2002
94.4
88
91
97
99
97
0.242
0.24
0.24
0.24
0.25
0.24
2003
96.2
94
96
100
100
0.246
0.25
0.24
0.25
0.25
2004
92.8
91
90
96
93
94
0.238
0.24
0.24
0.24
0.23
0.24
2005
95.8
98
100
93
91
97
0.246
0.25
0.25
0.25
0.24
0.24

茨城県地図
試料採取年度
放射能濃度(Bq/kg-生)
東海村
那珂町
ひたち
なか市
水戸市
1992
100
110
120
100
1993
110
110
110
110
1994
110
100
110
100
1995
110
100
110
110
1996
110
110
110
110
1997
100
110
100
100
1998
110
110
100
110
1999
110
110
100
110
2000
110
110
100
110
2001
110
110
100
110
2002
98
110
100
100
2003
97
96
99
94
2004
100
99
96
97
2005
94
97
99
98

北海道・岩手県・秋田県・兵庫県・大分県
試料採取年度
北海道
岩手県
秋田県
兵庫県
大分県
Bq/kg-生
Bq/g-C
Bq/g-C
Bq/g-C
Bq/g-C
Bq/g-C
1992
90
0.240
2003
0.241
0.240
0.240
2004
0.238
0.239
0.246
0.239
0.238
2005
0.239
0.239
0.239
0.239
0.237


各核種の放射能濃度が全国で一番高い米

調査方法 環境放射線デ−タベ−スから、以下の検索条件で検索しました。
 調査対象 放射能測定調査(放射能水準調査)/放射能調査(海上保安庁)/
      放射能調査(水産庁)/放射能調査(気象庁)/放射能調査(防衛庁)/
      食品試料の放射能水準調査/ラドン濃度測定調査/久米島環境調査/
      原子力施設周辺環境放射線モニタリング調査/海洋放射能調査
 調査年度 2005年度
 調査地域 全国
 調査試料 農林産物  穀類
 調査核種 全て
 該当件数 1,067件

核種名
半減期
試料採取地点
食品名
放射能
濃度
放射能
濃度単位
Be-7
53日
北海道岩内郡共和町 穀粒・玄米
0.710
Bq/kg-生
Be-7
53日
宮城県石巻市 穀粒・精白米
0.160
Bq/kg-生
Bi-214
19.9分
岡山県苫田郡鏡野町 穀粒・精白米
0.037
Bq/kg-生
C-14
5730年
青森県上北郡六ヶ所村 穀粒・精白米
100.000
Bq/kg-生
Cs-137
30.07年
岡山県苫田郡鏡野町 穀粒・精白米
0.092
Bq/kg-生
Cs-Unit
島根県松江市 穀粒・精白米
0.076
Bq/g-K
K-40
1277000000年
佐賀県東松浦郡玄海町 穀粒・精白米
72.000
Bq/kg-生
K-40
1277000000年
佐賀県東松浦郡玄海町 穀粒・玄米
87.000
Bq/kg-生
Sr-90
28.78年
富山県射水郡小杉町 穀粒・精白米
0.025
Bq/kg-生
Sr-90
28.78年
佐賀県東松浦郡玄海町 穀粒・玄米
0.052
Bq/kg-生
Sr-Unit
宮城県石巻市 穀粒・精白米
0.140
Bq/g-Ca
全ベータ
福島県双葉郡大熊町 穀粒・精白米
0.031
Bq/g-生

用語説明:BeBiCsSrBq
 ベクレル(becquerel, 記号: Bq)とは、放射能の強さを表す単位で、SI組立単位の一つである。
 1秒間に崩壊する放射性核種の数で表す。
 放射能の強さは放射性核種の半減期で決まる。
 例えば、ラジウム226の半減期は1620年であり、1秒間に1.36×10-11個の原子核が崩壊することに

当する。1 gのラジウム226には、約2.67×1021 個の原子核があるので、1秒間に約3.7×E10 個が

壊する。したがって、1 gのラジウム226の放射能の強さは3.7×E10 ベクレルである。
 ベクレルという名称は、ウランの放射能を発見したフランスの物理学者アンリ・ベクレルに因
む。
 かつては壊変毎秒(かいへんまいびょう、dps; disintegrations per second)とも言った。
 放射能の強さには、かつては1 gのラジウムの放射能の強さを表すキュリー(記号Ci)という単位

用いられていた。1キュリーは 3.7×E10ベクレルに等しい。


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