2004年 5月10日(月) 竹内、河野両氏に聞く/再処理工場操業の是非
2004年 5月 9日(日) 河野氏の行動に津島氏が不快感
2004年 5月 8日(土) 河野代議士「ウラン試験延期を」
【哘清悦】
次の総理大臣の話を聞けて、今日は本当によかったという感じがしています。プルト
ニウムという難しいものを再処理するのであれば、空気や水も再処理できないものかと 素人的にいつも考えるんですけれども。農業をやっているとどうしても……。三村知事 にも聞いたんですけれども、同じ野菜であれば放射能漏れを起こしたような産地とそう じゃない産地と、どちらを買い主すかと質問したんですけれども。河野議員であればど ちらを買いますか。値段は一緒で、片や原発と縁のない産地、片や原発とか再処理工場 のある産地。そういったことを考える必要もあると思うんですけれども。やはり放射能 が出ないにこしたことはないんです。濃度基準以下とは言うんですけれども。そんなに 安全なのであれば、煙突から出さないで何回も循環するようにしたらどうですかと。水 も海に流すんじゃなくて、車のエンジンだって冷却水は循環していますから、あれと同 じように何回も循環して自然界に放出しなければ、尚更安心できるんですけれども。そ ういう技術的なことがわかれば、ちょっと教えてほしいと思います。
【河野議員】
同じ値段ならどっちを買いますかという問は多分成り立だないと思います。どういう
ことかと言うと、さっき遺伝子組み替えの話を申し上げましたけれども、リスクが高 い、それはリスクも許容限度内の話であって、リスクが高いと思われるところとリスク が低いと思われるところでは、当然それは価格差に跳ね返ってくるはずですから、リス クの高そうなものは安い、リスクの低いものは高い、そういうのが市場の中で値段がつ いているわけです。じゃ、どっちを買いますかというのを消費者に選択してもらう時代 になるんだと思います。その時に 自然界の中にもいろいろなものがあって放射能を出 しているものもある。あるいは、微量な何とかというのは常に存在する。そういうこと を考えると、科学的にここまでなら人体に影響が出ない。あるいは、ここまでならこう いうことになっても大丈夫だという、危険があって、その危険の許容範囲内でやってい くということになっているわけですから。本当にそれが正しいのかどうかというのをき ちっと議論しなきやいかんと思うんですね。
ゼロでなければ危ないではないかという議論は多分これから先は通らない。要するに
リスクがゼロということは基本的にない。それは道を歩いていたってトラックのハブが 外れてタイヤがぶつかっちゃうということだってあるわけですから。リスクがゼロとい う世の中ではもうないわけで、その中でそれぞれのリスクを相対化して、こうだから常 識的には大丈夫なはずだという線を引いていろいろなことをやっていく時代なので、そ のリスクの考え方を消費者にきちっとわかっていただくように、教育にそういうものを 取り入れていかなければいけない時代になっているんだろうと思います。ただ、なんと なく原子力の何とかがある場所でとれた何とかがいいとか嫌だとかと言って、ゴミの焼 却炉のそばでとれた果物は嫌だとかということは、それはいろいろ人間ですからあると 思います。
ただ、それを言い始めている時に、最終処分場のお願いをどこかにできますかと。そ
んなことを言っていたら、お宅の自治体で最終処分をお願いします。うちはお断りしま す。そういうことになれば日本のエネルギー政策は成り立たないわけですから。お互い そういうことをきちんと議論ができる土壌をつくりたいなと。それは、原子力に限らず ゴミの問題だってそうですし、ゴミの最終処分地だってそういう可能性はある。あるい はゴミの焼却炉だってダイオキシンの話がある。何らかのリスクが伴わない施設という のはだんだんなくなってきているわけですよね。あるいは高速道路をどうするか。それ は喘息の怖れがある。空港をつくるのだって騒音の怖れがある。そしたらこの国には何 にもつくりませんかということになってしまう。
そうもいかないわけですから。そこはお互いどこまでなら我慢をするんだと。ここま
でならこういうことだから我慢して下さいと。ここならこういうふうに地域振興の交付 金を出しましょうと。そういう議論もしっかりやっていかなければいけない時代になり つつあるんだと思います。だから、感情の問題になるべく答えられるような手当てはす るけれども、リスクの考え方というのをお互い共有して、こういう考え方で話をしまし ょうということができるように、みんなで努力をしなきゃいかんということだと思いま す。確かに、そういう迷惑施設と言うと怒られてしまいますけれども、
そういう施設のそばで農業をやっている地域というのは実は私の地元にもあって、そう
いう話はよく伺います。それは、確かに現状でいけばお困りになるだろうと思います。 さっきの風評被害の話もありましたけれども、これからそこに補償を出すかという議論 も当然しなければいかんでしょうし、補償を出すならそれは当然費用に上乗せされるん ですねと。コストになってくるんですねという議論にも当然なってくると思います。
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