平成20年1月25日

日本原燃株式会社社長
兒島 伊佐美 殿
                                 請求者代理人
                                   哘 清悦

拝啓 時下益々ご清祥の事とお慶び申し上げます。
 平成19年12月28日付貴殿文書を拝受致しました。
 「・・・」にて請求者に尋ねられている質問事項につきましては、請求者から回答を
頂いておりますが、これまでの質問と重複すると思われる質問や、解釈の違いや勘違い
に基づく質問、定義が曖昧で回答できない質問等には私が補足を加えて回答します。前
回送付致しました資料5の表紙を差し替え、表6(質問107〜120)以降の頁を追
加して下さいますようお願い致します。
 本件の解決に向けた交渉方法の考え方や、御社の会社組織に対する客観的認識に大き
な隔たりがあり、御社の代表である貴殿と請求者の面談による事実確認が実現できずに
いるのが現状だと認識しており、平成19年12月28日付貴殿文書の内容と認識が異
なる点についての当方の考えを次頁以降にてお伝え致します。
 当方は、平成18年12月19日付文書にて、本件解決を目的とする工程表「交渉の
流れ」を提示しておりますが、貴殿はまだ、御社が考えている工程表を当方に提示して
おりません。本来は全体の工程を示した上で、事実確認が全工程のどこに位置付けられ
ていて、請求者の面談協議がその事実確認のどこに位置付けられているのかを示すべき
だと思います。御社が再処理の本格稼働を目的とした工程表に基づいて、通水作動試
験、化学試験、ウラン試験、アクティブ試験を行ってきたように、本件解決を目的とす
る工程表も備えているべきであり、先ずは全体の工程表を提示すべきだと考えていま
す。
 その工程表の他に、当方質問に対する御社の回答には理解納得できない点があります
が、今回送付した文書等によって当方の要求に応じる回答がなされれば、それらは特に
問題にならないので、それらについての再質問は今回致しません。
 請求者との面談協議についてですが、請求者との面談協議において録音する事には同
意しておりましたので、忙しくて面談協議の日程を組めない貴殿のために、私が貴殿に
代わって、御社の当方に対する質問とそれに対する当方の回答をカセットテープに録音
しました。約3時間の長さとなっておりますが、面談協議は2時間を予定していた事か
ら考えると、相当丁寧な事実確認がなされたと思っております。御社の社員の誰かが録
音したものですと、どこか1時間削られた可能性があります。それであれば貴殿は満足
できなかったと思いますが、どの質問も回答も全く省かずに録音した当方のカセットテ
ープであれば十分満足できると思います。そして、このテープによって面談協議の目的
を達成できたと考えておりますので、売れ残った米を買い取るとの回答を早期に下さる
ようお願い致します。                           敬具


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(会社組織としての対応について)
1.御社の会社組織に対する認識について
 平成19年12月28日付貴殿文書にて、御社の会社組織について縷々説明しており
ますが、貴殿が御社を代表して、失った信頼を取り戻すと決意を述べて以来、それに向
けて努力されてきたとは思いますが、ほとんど信頼を取り戻せていないと認識しており
ます。
 御社には各電力会社から出向している社員も多いと聞いております。その電力会社
が、平成19年3月30日に政府に報告した過去にさかのぼった総点検の結果によっ
て、発電所の不正10,646件、内、志賀1号炉・福島第一3号炉で起きていた制御
棒落下、臨界事故、原子炉緊急停止の失敗等の原発の不正455件となっており、実に
多くのデータの改ざん、偽装、捏造、隠ぺいが行なわれてきた事が判明しました。御社
や電力会社の社員として定年まで勤務し続けるには、改ざん、偽装、捏造、隠ぺいが普
通にできなければ勤まらないとさえ思いました。
 御社においても、5月17日の精製建屋配管T字継手からの硝酸ウラナス溶液漏えい
事故、5月25日の分析建屋でプルトニウム被ばく事故について、御社の公表内容に偽
りがある事を示す内部告発がありましたが、昨年一年を象徴する漢字に選ばれた「偽」
の字は、まるで御社を象徴する漢字として考えられた漢字であるようにも思えます。御
社のように、改ざん、偽装、捏造、隠ぺいが普通にできる人がたくさん寄り集まってい
る団体に対しては、「信じる者は騙される」という言葉を肝に銘じ、余程用心してその
説明に偽りがないかどうかを確認しなければなりません。
 御社の組織的対応について縷々説明頂きましたが、貴殿本人が、三村知事への報告や
安全協定締結の場には直接出向いたように、本件についても部下に丸投げする事無く、
三村知事への対応と同じように対応頂いて構いません。


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2.請求者との面談相手について
 平成19年12月28日付文書で貴殿自ら、「会社(法人)が行います全ての対外的
な対応は、会社に所属する一社員が個人的に対応をしているものではなく、会社が組織
として検討し協議した結果であること、さらにその結果から発生する責任は会社に帰属
するものであることにつきましてご埋解いただきいと存じます。」と述べている事か
ら、平成18年5月25日付○○部長名文書もそのように受け取らなければなりませ
ん。
 その文書には、「・・・」と記載されておりました。面談協議において、これまでに
御社から出された質問が、全て貴殿の判断を仰いだ質問であるかどうかを確認する必要
が当方にもありますが、貴殿の代理人及びその他の者は代弁できません。
 貴殿が指名した交渉担当者が、「会社を代理」していようが、貴殿の代理人であろう
が、「代理人」である事には変わりがありません。しかも、その交渉担当者が貴殿から
付与された権限は、貴殿の考えを請求者に伝え、請求者の発言をそのまま貴殿に伝える
だけの伝言役でしかない事もこれまでの文書で明らかになりました。更に、その伝言役
の役割さえも十分に果たす事は期待できず、むしろ誤って伝える可能性が高い事もこれ
までの交渉で明らかになりました。
 貴殿が指名した交渉担当者については、社内においてどのような仕事をされても構わ
ないと思いますが、当方と面談協議する事については不適当であると言わざるを得ませ
ん。これまでにも申してきましたが、今回文書等を送付した後においても、貴殿が請求
者と面談する必要があると判断し、それを当方に再度要求する場合は、貴殿の日程に請
求者と私が合わせるように致しますので、都合の良い日時を複数提示して下さいますよ
うお願い致します。
 また、御社および電気事業者は、改ざん、偽装、捏造、隠ぺいしないと仕事が回らな
い事情はよく理解しているつもりですが、風評被害認定委員会をも上手に騙した御社の
社員、貴殿の部下は別な意味において大変優秀だと感心しております。風評被害認定委
員会の会長が私であればそのような事はできなかったと思いますが、蝦名武副知事であ
った事から容易にできたものと思っております。


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3.間接的な確認を望む御社への対応について
 貴殿の、「・・・」の文章も、言語明瞭意味不明です。これまでも御社の回答には、
アメリカのような二重基準(ダブルスタンダード)が多いと指摘してきましたが、その
二重基準を駆使しての無理な解釈の積み重ねが限界に達し、支離滅裂になったものと推
察致しております。
 「会社を代表して」か「社長の代理として」なら理解できますが、「会社を代理し
て」というのは初めて聞く言葉です。私の国語辞典には、「代理」とは、「本人にかわ
って事をとりあつかうこと、また、その人。」と書かれています。今後はできるだけ一
般的な言葉を使って下さるようお願い致します。
 本件の買い取り請求については、三村知事にも同様の請求をしており、先日の電話で
は、「三村知事個人ではなく、県(組織)として対応する」という回答を頂いているの
で、三村知事も回答文書で貴殿と同様に、当方と交渉する担当職員について、「県を代
理して」という言葉を使ってきた際には、少し真剣に考えてみたいと思っています。
 「・・・」との貴殿の要望については、その交渉担当者が、当方文書を読んで質問を
考えたり、交渉に関係する文書を整理したり、貴殿に代わって回答文書を代書したりす
る分には全く問題ないですが、請求者との面談は前述の理由から「会社を代表する者」
以外はできない事をご理解下さい。


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