男女が生涯を通じて健康で過ごすには、それぞれの身体の特徴を十分に理解し合い、
互いに思いやりをもって生きていくことが重要です。
女性に対する暴力は、男女共同参画社会の実現を阻害する重大な問題であり、根絶に
向け認識を深める啓発活動を行うとともに、相談窓口の充実や関係機関との連携による 効果的な被害者支援など、早急に対応する必要があります。
とりわけ、女性は妊娠や出産というライフサイクルを通じて、男性と異なる健康上の
問題に直面するため、正しい知識と情報を入手し、理解を深め、健康を享受できるよう な取り組みが必要です。
また、高齢者、障害者及び外国人についても、地域社会を構成する一員として、まち
づくりなどへの社会参画の機会を拡大していく取り組みが必要です。
基本施策
1.仕事と家庭の両立支援(ワークライフバランス)
2.高齢者が安心して暮らせる条件の整備
3.女性に対するあらゆる暴力の根絶
4.生涯を通じた男女の健康支援
5.外国人女性への支援
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基本施策1 仕事と家庭の両立支援
人間性豊かな生活を実現するためには、家庭の責任を男女で共同分担し、職業生活と
の両立を図っていくことが必要です。
そのためには、保育・介護などの福祉施設サービスの充実を図るとともに、男性の家
庭参画をすすめ、固定的な性別役割分担意識を変えていくことが必要です。また、地域 社会全体での子育て支援も必要です。
◇施策の方向◇
(1)育児・介護休暇制度の活用
(2)ひとり親家庭の生活安定と自立の促進
(3)子育て支援対策の充実
(4)家庭生活における男女共同参画の促進
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基本施策2 高齢者が安心して暮らせる条件の整備
わが国は、平成12年には世界最高水準の高齢化率となっています。高齢社会では介
護の問題が家庭と地域における深刻な問題となってきており、介護の負担を要介護者の 家族に集中することなく社会全体で支える仕組みが平成12年の介護保険制度で開始さ れました。これにより従来の介護は家族、特に「妻」や「嫁」が行うという考えに変化 が出てきましたが、依然として「介護」が女性に大きな負担となっています。一部の家 族や女性に介護の負担が集中しないように、高齢者や障害者のための支援体制や福祉サ ービスの整備充実が必要です。
また、高齢者が意欲や能力に応じた社会を支える重要な一員として、積極的に社会参
画をしていくことが大切です。年齢や障害の有無にかかわらず、男女が健やかで安心し て暮らせるような機会の提供と支援に努めます。
◇施策の方向◇
(1)高齢者等が安心して生活できる介護体制の整備
(2)高齢者の社会参画の推進と雇用の整備
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基本施策3 女性に対するあらゆる暴力の根絶
女性に対する身体的・性的・心理的等のあらゆる暴力は、女性の人権を侵害するもの
であり、人間として許されるべきものではありません。
ドメスティック・バイオレンス(DV)やセクシャル・ハラスメント、性犯罪など広い
意味での暴力を許さない社会の環境づくりが必要です。
また、情報社会の進展に伴い、メディアがもたらす情報が人々の意識に大きく影響を
及ぼしています。役場や公的機関で発行、制作する刊行物や広報媒体等についても、 「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」などの性別による固定的観念にとらわれな い表現をすることが必要です。
◇施策の方向◇
(1)女性に対するあらゆる暴力のない社会環境づくり
(2)被害者の救済と支援づくり
(3)性差別につながらない表現の推進
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基本施策4 生涯を通じた男女の健康支援
心身ともに健全な子どもを育てるには、母親自身が自己の健康を保持し、増進してい
くことが大切であるとともに、妊娠・出産・育児に至る一貫した指導が必要となりま す。
また、病気に対する予防・相談から、受診しやすい健康診査体制の充実、さらには心
の健康づくりなど、すべての男女が心身の健康と性に関する正しい知識を持ち、自分の 健康を維持していくための総合的な健康対策の推進が求められます。
◇施策の方向◇
(1)生涯を通じた健康づくり
(2)妊娠・出産に関わる保健医療の充実
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基本施策5 外国人女性への支援
外国人女性が地域の人たちの協力を得ながら安心して生活し、子育てができるような
相談体制や支援の充実を図ります。
◇施策の方向◇
(1)学習・交流の促進
(2)相談体制の充実
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